〈はじめに〉記憶の人文学への門をひらく
本書の目的と方法
各章の概要
〈第一章 写真と記憶、記憶の写真〉
写真の隔たり(ディスタンス)
写真と記憶の真実らしさ(真正性)
写真の写実性(リアリズム)と魔術性(マジック)に魅せられた作家たち
写真のポストメモリー
〈第二章 記憶と身体〉
身体が思い出させる記憶
習慣的記憶と無意志的記憶
身体と記憶の複層性
記憶にとらわれた身体——トラウマ
〈第三章 記憶と場所〉
記憶術と建築的構造
現代にも生き残る建築的記憶
場所に蓄積される記憶——土地の霊
集合的記憶の場
〈第四章 思い出の品々〉
物品に込められた記憶——『憧憬論』
親密な隔たり——記憶の物質性(マテリアリティ)
証言する物品(オブジェクト)
記憶のもの語りを受け渡す
〈第五章 忘却と記憶〉
望ましき忘却
記憶の技術と人間の物語
完全な記憶と完全な忘却とのあいだで——記憶の名残りの手触り(テクスチャー)
〈第六章 記憶を継承するために〉
忘却に対する記憶の戦い
記憶の倫理——どのように忘れ、思い出すべきなのか
体験していない記憶を想起するために
〈おわりに〉記憶の人文学の扉の向こうへ
参考文献
索引