パリ前衛芸術から実験的文体へ。
ヘミングウェイは、環大西洋的(トランスアトランティック)前衛芸術の文脈からいかなる衝撃/着想を得たのか。
【主な目次】
序 章 アヴァンギャルド・ヘミングウェイ
第一部 前衛の衝撃——祝祭都市パリへ
第一章 セザンヌが連れてきた近代——絵画の知覚、散文の身体
第二章 スタインの教えとピカソの誠実——断片、空間、氷山理論
第三章 ヘミングウェイ・メカニック
——ニューヨーク・ダダと機械の眼
第二部 戦争の衝撃——近代の通奏低音
第四章 疾走する散文
——「ぼくの父さん」の映画的文体と「やつら」の不条理
第五章 瞬間の生、永遠の現在
——『日はまた昇る』とジュナ・バーンズ『夜の森』
第六章 眠れない近代
——ホッパー『ナイトホークス』と
「殺し屋」「清潔で明るい場所」
第三部 視覚性の衝撃——まなざしの欲望
第七章 『エデンの園』の視覚性
——『考える人』には見えないもの
第八章 幻視する原初のアメリカ
——「まずアメリカを見よう」キャンペーンと
ヘミングウェイの風景
終 章 辺境(ウィルダネス)の声を聴け
——芸術家ヘミングウェイのアメリカ性
あとがき(初出一覧を含む)
索引