女性教育の系譜やフェミニスト・ヒーロー/プリティ・ウーマンの形姿を、 「ドレスアップ/変身」を鍵語に鮮やかに読み解く。
著者・訳者 |
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ジャンル |
映画/英米文学(評論) |
出版年月日 |
2020年5月25日 |
ISBN |
9784909812360 |
判型 |
4-6 |
ページ数 |
320ページ |
定価 |
本体2,700円+税 |
在庫 |
在庫あり |
男性が理想の女性を創造するピュグマリオン神話が、
男/女のジェンダーを越境して拡散する。
『あしながおじさん』『秘密の花園』などの文学テクストから
『マイ・フェア・レディ』『羊たちの沈黙』『エイリアン』『ターミネーター』などの映画を通して
女性教育の系譜やフェミニスト・ヒーロー/プリティ・ウーマンの形姿を、
「ドレスアップ/変身」を鍵語に鮮やかに読み解く。
序論を増補し、小見出しを付けるなど旧版を全面改訂。
改訂新版のための序文
【聖家族という原型】
【三部作としての構想】
第1章 ピュグマリオン神話からーーピグマリオン・コンプレクッスへ
1 神話のゆくえ
【再話されるピュグマリオン神話】
【ピグマリオン・コンプレックス】
【ガイノイドとピグマリオン】
2 『あしながおじさん』と女子大生
【女子大生たちの台頭】
【女子大生ジュディ】
【手紙と日記】
【教養としての文学】
【社交界と文学生産】
3 大学から消費社会へ
【女子大の寮】
【夏休みの農場】
【フェビアン社会主義者?】
【あしながおじさんの死】
第2章 ドレスアップする欲望
1 差異と同一の関係
【欲望の鏡=ショーウィンドー】
【ファッションとしての小説】
【小説の言語】
2 大量生産からの脱出
【手作りと稀少性】
【スタイルとしてのミシン利用】
【ソーイング・マシンの登場】
【サイラス・マーナー】
【ロンドンの貧民街】
【ファッション産業とクイア】
3 汚すことの価値
【汚れと歴史』
【白さの神話】
【スター・ウォーズとの対比】
【エイリアンからブレードランナーへ】
4 境界侵犯する女性たち
【アメリア・イヤハート】
【日本のイヤハートたち】
【結婚と飛行術】
【スープの中のストリキニーネ】
5 ドレスアップの論理
【ファッションの横どり】
【労働とファッション】
【コンセプトの流行】
第3章 身体を仮構する
1 スーパーモデル
【オートクチュールからプレタポルテへ】
【ファッション・モデル】
【スーパーモデル登場】
2 同一化の視線
【同一化と写真】
【生殖へのまなざし】
【見通されることへのいらだち】
3 裸体とオリエンタリズム
【裸体と透明人間】
【見えない敵】
【E・R・バロウズと野蛮】
【ゴーギャンと裸体】
4 加工された身体
【身体を加工する】
【変身物語】
5 美容整形の戦略
【美容整形の発達】
【永遠の美を求めて】
【仮面の情事】
【顔を作る】
【魔女となるために】
第4章 移動する女たち
1 旅する〈視線〉
【女たちが移動する】
【スタインベックの朝食】
【植民地とエロティシズム】
2 マーケットに囚われた女性
【未来というマーケット】
【アメリカ合衆国という連続性】
【選択肢の切り捨て】
3 『秘密の花園』と二つの病
【インドから帰る少女】
【インドの病】
【イングランドの病】
【調停と再生の場としての庭】
4 世界を体験する女性たち
【男装した旅人】
【英語という道具】
【ペルシア幻想】
【歴史とメタフィクション】
【移動する女性たち】
第5章 ピグマリオンの系譜とプリティ・ウーマンの条件
1 イライザ創造
【ヒギンズ教授とフランケンシュタイン博士】
【発音矯正と音声学】
【ハッピーエンドへの仕掛け】
【独身者の砦】
2 ミランダの系譜
【女性創造の矛盾】
【テンペストのミランダ】
【キャリバンと戦うミランダ】
【三人目のミランダ】
3 『羊たちの沈黙』
【フェミニスト・ヒーロー】
【昇進とジェンダー】
【蛾と変身】
【ジョディ・フォスターの身体】
4 フェミニスト探偵の登場
【女性探偵登場】
【掃除嫌いと探偵事務所】
【レズビアン探偵小説】
5 プリティ・ウーマンとは
あとがき
参考文献