デビュー以来、住野よるが生み出した六篇について、小説世界の外にあるものは一切排除し、 文学テクストそのもののみを精読する。
著者・訳者 |
|
ジャンル |
日本文学(評論) |
出版年月日 |
2020年7月29日 |
ISBN |
9784909812391 |
判型 |
4-6 |
ページ数 |
198ページ |
定価 |
本体2,000円+税 |
在庫 |
在庫あり |
デビュー以来、住野よるが生み出した六篇について
「関係(性)」、「他者(性)」、「コミュニケーション」などを鍵語に、
小説世界の外にあるものは一切排除し、
文学テクストそのもののみを精読する。
文学理論に精通した一人の学者が、
繰り返し読んでみて、思った、
住野よるの小説は、予想以上に手強い。
はじめに
第1章 『君の膵臓をたべたい』――僕とは正反対の彼女
物語の始まり
常に違い続ける桜良と春樹
人と関わりあうことの意味
細やかながらも、大いなる近接
不条理な死――もう一つの「他者性」
君の膵臓をたべたい
第2章 『また、同じ夢を見ていた』――皆違う。でも、皆同じ。
奈ノ花と三人の大人たちと一匹の猫
夢の世界へ
夢見る少女と夢見られる少女
南さんとアバズレさんとおばあちゃん
奈ノ花と三人の女性たち
彼女たちが伝えようとしたこと
皆違う。でも、皆同じ。
第3章 『よるのばけもの』――不思議は不思議のままで、不思議
いじめの源流――仲間意識
「昼」の領分――「俺」と矢野の世界
「夜」の領分――「僕」と矢野さんの世界
「他者」との優しい出会い
異質なものの方へ
不思議は不思議のままで、不思議
第4章 『か「」く「」し「」ご「」と「』――記号は見えるのに、……
記号を読むことの不可能性
京くん(大塚)
ミッキー(三木)
パラ(黒田)
ヅカ(高崎)
エル(宮里)
記号は見えるのに、……
第5章 『青くて痛くて脆い』――そして、自分とは、違う君のこと
出会い
反目と敵対
最良の友、董介
理想と現実の狭間で
凄絶な罵り合い
川原さんという存在
他者への配慮
語り手の企み、そして再会
第6章 『麦本三歩の好きなもの』――そうやって生きてるんだろうね、私達は
モノローグ的世界の住人
優しい先輩
大学時代の男友達
怖い先輩
麗しい友人
おかしな先輩
これからも好きなものの話をしていたい
おわりに