グローバル化の終焉と
「アフター西洋」に開かれた英米文学
英米の覇権と支配の視点からとらえられたロシアや東欧・バルカンだけでなく、地政学的無意識となってきた東アジアを含むユーラシアの全体性の表象・物語の形式に焦点を当てることで、西欧・西洋に限定されない英米文学=「ユーラシアのイングリッシュ・スタディーズ」を本書から、展開してみたい。
社会・世界で分断が拡大する状況で、
英語文学・文化研究は何ができるのか?
はじめに◉グローバル化以降の英文学研究としての「アフター西洋」?
―ユーラシアのイングリッシュ・スタディーズに向けて
(大田 信良)
第Ⅰ部 ネオ・ユーラシア主義の出現と20世紀の地政学
第1章◉社会・世界の分断と(英語)文学・文化研究
(四戸 慶介)
第2章◉『ビフォア・ザ・レイン』、バルカン問題、英米関係
―英国映像文化が表象する国際政治、あるいは、「短い20世紀」の地政学的表象
(大谷 伴子)
第3章◉シティズンシップの英文学と『シークレット・エージェント』を再考する
―ユーラシアのイングリッシュ・スタディーズのために
(大田 信良)
第Ⅱ部 ユーラシアのイングリッシュ・スタディーズのための試論
第4章◉ネロの逆襲、あるいは、逆襲のパトラッシュ
―『フランダースの犬』と資本主義の向こう側
(髙田 英和)
第5章◉ユーラシアから見る『歳月』と『失われた地平線』のチベット
―新しい文明と理想郷という緩衝地帯
(四戸 慶介)
第6章◉ヴィタ・サックヴィル=ウェストのPassenger to Teheranとイラン
―プロパガンダあるいはソフト・パワーとしての英語文化
(菊池 かおり)
第7章◉イシグロとグローバル化する英国映像文化
―ヘリテージ映画としての『日の名残り』?
(大谷 伴子)
第Ⅲ部 グローバル化以降の21世紀英米文化?
第8章◉English as an Additional Languageとシティズンシップの英文学
―イングリッシュ・スタディーズの再編に向けての覚書
(大田 信良)
第9章◉グローバル・ブリテンの文化?
―ブレグジット以降の英国とユーラシア
(大谷 伴子)
おわりに◉社会・世界で分断が拡大する状況で、
英語文学・文化研究ができかることとは何なのか
(四戸 慶介・菊池 かおり)
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