• 小鳥遊書房

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Details of the book書籍詳細

近刊
アメリカから見た「シベリア抑留」
日系収容との比較を含めて
  • 抑留者とその遺族にも丹念にインタビューを重ねたオーラルヒストリー。
    60万人の苦悩に生きた日本人の記憶の継承
    著者・訳者
    著者:榊原(大島) 晴子プロフィール
    ジャンル 人文 歴史
    出版年月日 2024年10月30日
    ISBN 978-4-86780-061-4
    判型 A5判並製
    ページ数 280
    定価 本体3,000円+税
    在庫 予約受付中

    シベリア抑留者はなぜ温かく迎えられなかったのか。なぜ沈黙して家族に何も語らなかったのか。
    抑留経験者が少なくなっていく今、彼らの時間はこのまま消えていってよいのか。カリフォルニア在住の著者は、家族に起きた人権侵害の歴史に目覚めてから一人史実に迫った。世界史に刻まれるべき事実を風化させてはならない。抑留者とその遺族にも丹念にインタビューを重ねたオーラルヒストリーから浮かびあがるものは? 米ソ冷戦構造下で翻弄された運命、女性たちの悲劇…..

    今こそ、60万人の苦悩に生きた
    日本人の記憶の継承のために、
    本書は若いみなさんにも読んでほしい。

    まえがき

    第一章 カリフォルニアで暮らす

    一.結婚してサクラメントへ
    英語教師になる/夫・ジョナサンとの出会い/両親のこと/新しい暮らし/ゼロからの出発/サクラメントという町

    二.カリフォルニア州で教える
    移民の多い土地/ESL(外国人のための英語)のクラスを教える/人気のあるコミュニティーカレッジ/カリフォルニア大学デイビス校の学生たち/日本語は二倍難しい/スズキメソードピアノ研修会の通訳/世界の歴史とアメリカ移民/東アジアの文化が見える

    三.日系アメリカ人とその歴史
    夫の家族/日米開戦と日系アメリカ人の強制収容/歴史から学ぶ/日系人の国会議員/日本留学生との交流/じゃんけんぽ学校/日系アメリカ人の悲しみ/ジョセフは広島・長崎へ行った/日本の海外移民の歴史/北米への移民/日系アメリカ人の心のルーツ/日系社会の日本語/なぜ古い日本が残っているのか 

    第二章 新しいプロジェクトに取り組

    一.「シベリア抑留」への導き
    写真家・新正卓氏と出会う/抑留者だった叔父を想う/健夫叔父/人生の終わりに

    二.史実を伝承するために
    シベリア抑留と日系アメリカ人収容/ウェブページによるデジタル化という突破口

    三.たくさんの後押し
    自主的な研究活動を始める/恩師からの一言/全抑協の饗庭秀男氏に会う/キャンパスからの支援/温かなウェブサイトの輪

    四.相澤英之氏との交流と「シベリアの歌」
    「相澤さん」へのインタビューが実現/CD「なぜ家を出るの」ができるまで/「シベリアの歌」の制作/「Japanese in Siberia-日本人のシベリア抑留」の構成/吉田勇絵画集/久芳健夫/ボルガは遠く/労苦の記録/インタビュー/舞鶴引揚記念館内蔵品とユネスコ世界記憶遺産について/女性抑留者/音楽

    第三章 シベリア抑留者の苦難  

    一.敗戦
    かき集められた戦力/戦争の終結/ソ連の参戦(日ソ戦争)        

    二.ソ連の国内事情
    スターリンの極秘指令九八九八号/「ラーゲリ(強制収容所)経済」で国づくり/敗れた国々の捕虜たち

    三.抑留者となった日本人
    日本人の抑留地/「捕虜」なのか「抑留者」なのか/抑留地への移動体験/ソ連兵が繰り返した「トウキョウ・ダモイ」

    四.屈辱の収容所生活とシベリア三重苦—飢餓、重労働、酷寒
    収容所の粗末な施設/飢餓/重労働—その種類と過酷なノルマ/酷寒/衣服/慰め/死と埋葬

    五.賞賛された日本人の労働
    今も使われる建造物/伝説のナヴォイ劇場

    第四章 抑留経験者の諸問題 
    一.日本新聞と共産主義教育(民主運動)
    ソ連の計画/『日本新聞』/思想運動の展開・民主運動/揺らいだ日本軍の階級制度

    二.帰国
    日本からの引き揚げ支援/抑留者の帰国計画/長期滞在者とは待ちに待ったダモイ—ナホトカ港へ/舞鶴へ/「赤旗組」の行動/日本社会と困難な就職/米国の関心/抑留者の補償問題/ロシアの謝罪/ 墓参・慰霊訪問/ 慰霊訪問参加者の経験

    第五章 女性の抑留者

    一.満洲国の成り立ちと女性の立場
    女性抑留者の立場/満洲国/第二次世界大戦の勃発/満洲事変後の背景/南満洲鉄道株式会社(満鉄)/満洲事変(一九三一)と第一次上海事変/満洲国と日本/盧溝橋事件/北支事変(一九三七)と日中戦争への拡大/ノモンハン事件(一九三九)/日ソ中立条約(一九四一)/日中戦争(または支那事変)(一九三七—一九四五)/中国とソビエトの接近/日中戦争の終焉/歴史での位置づけ/満洲へ渡った女性たち/満洲の婦女子と満蒙開拓平和記念館/中国残留孤児

    二.女性抑留者
    女性の抑留者の存在/NHKの番組「女たちのシベリア抑留」/陸軍に勤務した看護婦/菊水隊の女性たち/さらなる調査/公文書に残る女性舞台の足取り/ソ連での女性労働の扱い/女囚となった人たち/赤羽文子さんのこと/女性の立場と平和

    第六章 シベリア抑留・家族の証言

    一.北川翔さん(ロシア音楽家)
    二.トレジャー・圭子さん(友人。サクラメント市で幼稚園を主催)
    三.茂里一紘さん(前東京女子大学学長)
    四.山辺美嗣さん(全国抑留者協会千葉支部)
    五.山村三知子さん(全国強制抑留者協会石川県支部)
    六.吉川元偉さん(国際基督教大学特任教授 元国連代表)


    あとがき

    本書に寄せて シベリア強制抑留の記憶
    (国際基督教大学名誉教授、大西直樹)

    参考文献

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2020 TAKANASHI SHOBOU

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