著者・訳者 |
著者:海老原 豊プロフィール
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ジャンル | SF/評論 |
出版年月日 | 2021年8月27日 |
ISBN | 978-4-909812-64-3 |
判型 | 四六判並製 |
ページ数 | 302 |
定価 | 本体2,400円+税 |
在庫 | 在庫あり |
SF批評の秀英が透視する
人新世以後のヴィジョン!
巽孝之(SF批評家/慶應義塾大学名誉教授)帯文
【目次】
まえがき——私たちはすでにポストヒューマンである
第一部 他者との遭遇
第一章 エイリアンとポストヒューマン
ポストヒューマンとは何か
エイリアンの創造—『エイリアン』
母性をめぐる女同士の戦い—『エイリアン2』
「家族」としてのエイリアン—『エイリアン3』
異質なものと人間的なものの融合—『エイリアン4』
エイリアンとアンドロイドと
クリエイショニズム—『プロメテウス』と『コヴェナント』
第二章 SFの想像力=創造力
—岩明均『寄生獣』と『七夕の国』のポストヒューマン
ポスト人文学のライティングに向けて
サイエンスとフィクションのあいだ
意味を問いかけるSF『寄生獣』
ポストヒューマン誕生—自己と異質な他者のあいだ
ポストヒューマンの末裔—『七夕の国』
第三章 『AKIRA』と『ナウシカ』から日本的ポストヒューマンへ
ポストヒューマンというトレンド
ポストヒューマンとしてのアキラとナウシカ
〈ポストヒューマンのパラドックス〉とその克服
日本的ポストヒューマンの誕生
第二部 機械化する自己
第四章 グレッグ・イーガンとオウム真理教
—超越性を超越できない人間の人間らしさについて
現代ハードSFの旗手グレッグ・イーガン
超越性=無意味性に人間は耐えられるのか—「しあわせの理由」
科学的根拠vs超越的信仰心—「祈りの海」
人間的、あまりに人間的なポストヒューマン
第五章 二十年後のマトリックス
—サイバースペースは身体から精神を解き放つのか
哲学的な野望、脱身体化
「中の人」問題—サイバーパンク前史「接続された女」
身体=障害の克服——ウィリアム・ギブスン「冬のマーケット」
「見る」サイバースペースから「入る」仮想現実へ
《マトリックス》の世界
《マトリックス》における精神と身体のねじれ
因果関係と役割を超越する目的
第六章 人工知能は人間の友か敵か、それともポストヒューマンか
—SF映画のAI表象
AI論の論点整理
人間知能と人工知能のフラット化—『チャッピー』
自己をプラグラムする自己—『トランセンデンス』
人間から完全に独立したAIの可能性—『her』
第七章 我ら人間、サイボーグ
サイボーグとは何か、あるいは誰か
サイボーグ、怨念、ブルース—平井和正『サイボーグ・ブルース』
シェルパーソンと人間と—アン・マキャフリィ『歌う船』
すべてはここから始まった『ターミネーター』
非人間的な人間シュワルツェネッガー
液体金属型ターミネーターが体現するもの
補論 タイムパラドックスSFとして
第三部 産む身体・殺す身体
第八章 ル・グィンとティプトリーの身体性
ル・グィンとティプトリー
ポストヒューマンSFとしての『闇の左手』
情報の非物質性
ティプトリーとは誰か
ティプトリーの宇宙〈スターリー・リフト〉
第九章 フェミニスト・ユートピアは(どこに)あるのか
フェミニスト・ユートピアとは
本質を構築する—松尾由美『バルーン・タウンの殺人』
〈第三の性〉の誕生—田中兆子『徴産制』と村田基『フェミニズムの帝国』
強い女の子—小野美由紀『ピュア』
認識論的ユートピア—松田青子『持続可能な魂の利用』
意味を与える—新井素子『チグリスとユーフラテス』
結語—フェミニスト・ユートピアに向けて
第十章 継ぎ接ぎの化け物
—フランケンシュタインあるいは現代のポストヒューマン
現代SFの起源としての『フランケンシュタイン』
モジュール化された体と心—伊藤計劃『虐殺器官』
統一化された心のモジュール—伊藤計劃『ハーモニー』
主要参考文献
あとがき